第12章 部品の入手法
故障して初めて分る部品の貴さ
発展途上国において工業先進国の製品を修理する時の困難は、主に三つあります。
- 図面が手に入らない
- 部品が手に入らない
- 治具(jig)や工具が手に入らない
「良い技能を持った人が見つからない」を付け加えたい方もいらっしゃりそうです。
この「家電修理のヒント」では、図面や治具を必要とするような修理には触れません。工具類についても特殊なものは必要ありません。どんな国でも首都の商店街に行けば見つかるでしょう。
問題は、交換部品(英: spareparts; 仏: pièces détachées)をいかに手に入れるか、です。とりあえず次のような方法が考えられます。
- メーカー(またはそのサービスセンター)の所在する国に行った時に買う。
- メーカー(またはそのサービスセンター)の所在する国にいる人に買って送ってもらうか、任地に来る人に運んでもらう。
- メーカーから直接送ってもらう。
- 始めから本体とスペアパーツとを買っていく。
いずれの方法にしても部品の発注にあたっては、次の情報が必要です。
- ブランド名(またはメーカー名)(例:XX電機)
(英: brand ; 仏: marque)
- 製品名(または商品名)(例:ビデオデッキ)
(英: product ; 仏: produit)
- 機種名(例:XX-XXXX型、Model No.として機器の裏面に記してある)
(英: model ; 仏: modèle)
- 部品名(例:ゴムベルト一式)
(英: wanted part ; 仏: pièce demandée)
- 部品の数値/サイズ(例:直径XXcm)(もし分かれば部品番号や部品コードも)
(英: value/size ; 仏: valeur/dimension)
- 数量(例:1組)
(英: quantity ; 仏: quantité)
以上は必須事項です。
部品名が分らない場合には、部品の形状と位置とをスケッチして添付します。それでも正確さに自信が無い場合は、メーカーから「組立て分解図」を取り寄せて部品コードを調べます。
できれば有る方が望ましい情報として、
- 製造番号(Serial No.として機器の裏面に記してある)
(英: serial number ; 仏: numéro de série)
- 製品の色(例:黒)
(英: color ; 仏: couleur)
- 購入日と購入地
(英: date and place of purchase ; 仏: date et lieu d'achat)
- 故障の症状(いつ、どのような使用状態で故障したか)
(英: symptom I find ; 仏: symptômes objectifs)
その他、状況に応じて、
- 支払い方法(例:小切手、銀行振り込み、郵便為替など)、支払いの限度額(例:xx円以下なら買います)
- 部品の引き渡し方法、送り先(例:窓口に取りに行く、郵送、SAL、EMS など)
- 部品の引き渡し期限
- 包装のしかた
- 税関書類に記入する品物の価値(税金がかかる事が有るので)
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最後に、メーカーに手紙やFAXで部品を注文する時の文例として、私が書くスタイルをご紹介します。
- 拝啓、アフリカ(例)のXX国からのあいさつ
- 私は、御社製のXXをXX年ほど愛用しています。
- こんな故障が生じました。
- 当地には、残念な事に御社のサービスセンターが有りません。
- やむを得ず私が中を覗いてみたら、XXの交換が必要です。
- お手数で恐縮ですが、XXを1個お送りいただけませんか?
- (上の1〜10、または1〜15の項目をきちんと書く)
- 敬具
数百円程度の部品は無料で送ってくれる事もありました。製品を買うと、箱の中にお客様サービスの電話番号、FAX番号、住所などのリストが入っています。紛失しないよう、大切に保管しておきましょう。
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